キリスト教の聖書について解説している本はいろいろあります。
その中で、おすすめの本を紹介します。
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目次
聖書の大まかな流れを知っておく
聖書について解説している本はいろいろありますが、それらを読むだけで聖書の話の流れがとても分かりやすく理解できる、というほど分かりやすい本はありません。
あらかじめ、聖書の大まかな話の流れだけは自分なりに頭に入れておいた方が良いでしょう。
聖書は一応話の流れがある
聖書は色々な時代に色々な目的で書かれた文書を集めたものです。
ですので、全体でまとまった話や主張になっているわけではありません。
例えばヘブライ語聖書(旧約聖書)なら以下のように色々な文書が含まれています。
古代人の法律のような文書もあります。
古代人の神話のような文書もあります。
一応歴史を記録したものらしい文書もあります。
ただの物語らしい文書もあります。
高級官僚で預言者という肩書きの人が書いたか話したものらしい文書もあります。
官僚ではなくて預言者という肩書きの人が話したか書いたかしたらしい文書もあります。
新約聖書なら、例えば以下のように色々な文書が含まれています。
イエスはキリストであると人に伝えたいために書かれた文書もあります。
その時々で色々と事情があって書かれた手紙の類もあります。
黙示録という難解な文書もあります。
そのように雑多な種類の文書が集まっています。
それでも、一応中心に話の筋のようなものもあります。
その筋を何となくでも知っていると、聖書が理解しやすいです。
聖書の大まかな話の筋
このブログの運営者の私なりに言うと、聖書の何となくの話の筋は以下のような感じです。
素人の私が書くので、順番など、結構間違っているかもしれません。
- 人間が作られる
- 人間が増える
- 人間たちがタチの悪いことをしまくる
- 人間たちがタチが悪過ぎるので、神が「人間を作らなければ良かった……。」と言う
- 神が世界をリニューアルするために洪水を起こす
- ノアたちは船を作って脱出
- 世界がリニューアルされる
- アブラハムが色々して、神と契約か何かをする
- アブラハムの息子たち以下、子孫が増えて行ってイスラエル民族?になる
- パレスチナあたりが食糧難なので、食料のあるエジプトに行く
- 長らくエジプトにいたが、エジプトを脱出する
- パレスチナに帰ってくるが、パレスチナには他の民族の人たちが住み付いて暮らしている
- パレスチナに住んでいる人たちを殺して、住む
(神は、パレスチナに住みついている人たちを全員殺せ、と言い、言われた通り殺そうとしたが、全員までは殺せなかったので、あとはあきらめて一緒に住んだ) - 族長のような人が色々と出てくる
- 時代が進んで、士師というリーダーのような人が色々と出てくる
- 時代が進んで、王さまが色々と出てきて、戦国時代のような感じになる
- イスラエルは周辺の大国に滅ぼされ、バビロン捕囚でパレスチナから連行されていく
- 大国から解放されて、一部の人はパレスチナに帰ってくる
- 大工の家庭にイエスが生まれて、大工になる
- イエスがヨハネという人の洗礼を受けて罪の許しを得るために、家を出る
- イエスが、神の国や神の無条件のゆるしについて人に語って歩く。弟子もできる
- イエスが、権力者から目をつけられて逮捕され、処刑される
- イエスの弟子が、復活したイエスと出会う体験をして(どういう体験か具体的には不明)、イエスの死の意味を考えて、キリスト教の形ができていく
- 弟子のパウロもイエスの死の意味を考える。色々用事があって色々な教会へ手紙を書く
聖書は読み方に注意しないと危険
上の箇条書きを見て分かる通り、聖書は読み方に注意しないと危険です。
有名な危険な箇所として、神がパレスチナに住みついている人を全員殺してから住め、と命令してくるところなどがあります。
これを単純に言葉そのまま受け取れば、自分の土地だとこじつければそこに住んでいる人を殺していい、神がそう言っている、というような考えに陥るかもしれません。
これはとても危険ですが、実際そのように受け取っている危険なキリスト教原理主義者もいます。
また、こういった危険な箇所について大して気にせず呑気な信徒生活を送っているキリスト教徒も大勢います。
私たちは、こういった危険な記述について現代人としてどう読み取れば良いか注意深く考えるためにも、もし聖書をよむなら聖書についてきちんと学びましょう。
キリスト教の聖書を解説しているおすすめの本
何となく上記のような流れです。
あとは聖書を解説しているおすすめ本を読みましょう。
上村静「宗教の倒錯―ユダヤ教・イエス・キリスト教」岩波書店
この本は聖書全体の流れをかなり分かりやすく説明してくれています。
それだけでなく、キリスト教は律法主義を批判していますが、キリスト教自体が律法主義に陥っている、というような批判など踏み込んだ説明が書かれています。
上村静「旧約聖書と新約聖書 (シリーズ神学への船出)」新教出版社
上村静「旧約聖書と新約聖書 (シリーズ神学への船出)」新教出版社
この本は、「宗教の倒錯―ユダヤ教・イエス・キリスト教」よりさらに詳しい説明が書かれています。
キリスト教の聖書の問題点が色々と説明されています。
現在出版されている色々な聖書についての短い説明も載っています。
青野太潮「どう読むか、聖書 (朝日選書)」朝日新聞
この本は、聖書の読み方が書いてある本です。
昔のキリスト教徒なら、聖書に書かれていることに間違いはない、とか、聖書に書かれていることは疑いを持たず信じ込めば良い、と思っている人もいます。
「どう読むか、聖書」には、聖書は無批判に読んで信じ込めば良いようなものではない、聖書であれ他の本であれ批判精神を持って読みましょう、と説明されています。
そのように、聖書の読み方が書かれています。
聖書の読み方だけでなく、小学生の勉強から年配の人の学問まで、すべての学問において心得ておくべき考え方が説明されています。
「もしも基本的人権の尊重がされなかったら」|日弁連
聖書について少し分かってきたら、ぜひ読みたい本
聖書について少し分かってきたら、ぜひ読みたい本はたくさんあります。
その一例を紹介します。
青野太潮「「十字架の神学」をめぐって: 講演集 (新教新書)」新教出版社
青野太潮「「十字架の神学」をめぐって: 講演集 (新教新書)」新教出版社
この本はイエスやパウロが伝えてくれた福音の内容を説明してくれている本です。
この本を読まないと、イエスやパウロが伝えてくれたところの、神のゆるしや救いの内容が全く理解できないと言ってもよいほどです。
キリスト教会へ行くと、イエスは罪の贖いのために死んでくれた、おかげで私たちは許されてここにいる、というような説明がなされます。
ところが、イエスの死は単に贖いの死と思っていれば良いわけではないということです。
イエスは、人々の贖いのために自分から死んだわけではなく、神に見捨てられたと思って絶望して死にました。
が、その悲惨で救いのない状況のイエスを、神は肯定したということです。
このイエスの処刑の一件で、完全に絶望的な状態のイエスを神は全面的に肯定した、ということを私たちは知り、神の救いとはそういうものなのか、と分かったので、もうどれだけ絶望的な状態になっても、「神は俺を見捨ててはいない、肯定してくれている」と分かって絶望しなくて済むわけです。
(ただし、絶望しないとしても、現実的な問題が解決するわけではないので、絶望せずに私たちが解決の努力をする必要があります。例えば政治運動で戦争勢力に抵抗する、教育制度をよりよく変えて教育を充実し犯罪を減らす、自分の現場の仕事にプロ意識を持って取り組む、会社の法令違反を正し、言っても聞かないときは内部告発する、精神の病で苦しんでいるなら精神科に行って治療に取り組む、などです。)
そのようにかなり逆説的な方法で神の救いというものは伝えられているということです。
そして私たちに与えられている救いも、力は弱さにおいて完全になる、というようなかなり逆説的な方法で与えられているようです。
「「十字架の神学」をめぐって: 講演集 (新教新書)」で説明されている逆説的な方法を使って伝えられている神の救いやゆるしというものを理解した上で、教会の説教などで説明されるイエスの贖罪の死の話を聞いた場合は、どう捉えるべきか考える必要があるでしょう。
ただし、もちろん青野氏自身が口を酸っぱくして述べている通り、青野氏の著書も批判精神を持って読む必要があります。
私が読む限り、例えば青野太潮氏の説明と上村静氏の説明を比べると、少し雰囲気は違います。
青野氏の著書ではパウロの良い面が結構強調されていますが、上村氏の著書ではパウロの悪い面がかなり強調されています。
A.リンゼイ「神は何のために動物を造ったのか―動物の権利の神学」
A.リンゼイ「神は何のために動物を造ったのか―動物の権利の神学」教文館
聖書の内容は尋常でないほど人間例外主義の考え方になっています。
人間は、人間以外の生き物とは全く違い、特別な存在だ、と思い込んでいた古代人が書いた文書なので当然でしょう。
ところが、現在では研究が進み、チンパンジーやゴリラたちと人間の遺伝子か何かを比べても90%以上全く同じであることが知られるなど、人間はただの一哺乳類の動物に過ぎず、他の生き物たちと同じ生き物の一種で、特別でも何でもない、ということは常識と言って良いほど広く知られています。
当然、人間の命は極めて重く、能力やら生産性やらと関係なく存在自体に価値があります。
そして、人間以外の生き物たちもやはり存在自体に価値があり、神から無条件のゆるしを与えられ、みなさん元気に生きているわけです。
そういった知識が行き渡っている現在において、聖書の言う人間例外主義的な考えを真に受けることは危険なことです。
そこで、「神は何のために動物を造ったのか―動物の権利の神学」を合わせて読んでおくことをおすすめします。
聖書を読むなら、「神は何のために動物を造ったのか―動物の権利の神学」は必読書と言って良いでしょう。
人間は例外的な生き物などではない、と知っている現代人が聖書を読むとき、「神は何のために動物を造ったのか―動物の権利の神学」を参考にして真面目に読めば、人間例外主義に陥らずに読むことができます。
キリスト教関係者と話が噛み合わなくても、がっかりしないでまた歩み出す
新約聖書、ヘブライ語聖書(旧約聖書)に興味を持ったら、キリスト教会に行ってみたりして、キリスト教の関係者と話す機会ができる人もいるでしょう。
牧師やその他のキリスト教関係者に色々と疑問などを話してみたところ、話が全く噛み合わず、エリート意識を剥き出しで一笑に付されるなどし、がっかりするというケースはよくあります。
しかし、気を落とす必要はありません。
同じ経験をしている人はたくさんいます。
そういった場合には以下の動画をみて、仏性は私たち自身の中にあることを思い出し、初心に帰って元気を出してまた歩み出しましょう。
キリスト教関係者と話が噛み合わず落胆した時、初心に帰る動画
曹洞宗 心の柱
曹洞宗東北管区教化センター 心の柱
上記の動画「心の柱」は曹洞宗東北管区教化センター発行のパンフレット「心の柱」の説明動画らしいです。
パンフレット「心の柱」は、曹洞宗東北管区教化センターへ送料を添えて申し込むと送ってもらえるそうです。
以下のページに説明があります。
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曹洞宗 心の柱 | 曹洞宗東北管区教化センター
曹洞宗東北管区教化センターです。
soto-tohoku.net
インテリに惑わされない
世界はインテリであろうとなかろうと、全員がいて初めて成り立っています。
そして、インテリであろうとなかろうと、人間にせよ人間以外の生き物たちにせよ、命あるものは存在自体に価値があり、価値があるからみな堂々と生きています。
キリスト教インテリの物言いに惑わされないようにしましょう。
不立文字、教外別伝、直指人心、見性成仏
(文字に絶対的な権威を措定せず、経論の教えとは別に自分の言葉で思想を語り、現在の自分のままで、自己の真実を明らかにする)
仏性は私たち自身の中にあります。
キリスト教の聖書を解説しているおすすめの本を紹介しました。
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